多くの職種が存在する介護業界

 介護業界への就職や転職を希望する人が増えていますが、一言で介護業界と言ってもその職種の数はかなりあります。施設勤務場合だけでも、入所型施設・通所型施設・訪問型施設への勤務で大きく違ってきます。

 例えば、入所型施設に勤務する場合、現場スタッフは24時間のシフト制の勤務体系になります。また入所型施設の中でも仕事内容は微妙に変わってきます。寝たきりや重度の認知症の利用者が多い特別養護老人ホームでは、現場スタッフの仕事の多くが、入浴・食事サポートや排泄介助などの身体介助がメインになります。中でも入浴サポート時にかかるの肉体的負担は大きく、多くの現場スタッフが慢性的な腰痛や坐骨神経痛、ひどい時にはぎっくり腰などで体を自由に動かすことができなくなってしまうほどです。

 次に、同じ入所型施設でも老人保健施設の場合、自宅に戻ることを前提とした介護やリハビリを行っています。24時間体制で現場スタッフが勤務するという点では特別養護老人ホームと変わりませんが、医学的な指導の下で現場スタッフがリハビリを行うこともあります。また、利用者の入所期間も3ヶ月程度と短いことも特徴の一つです。

 さらに、通所型施設の代表的なものとして利用者が日帰りで利用するデイサービス、訪問型施設の代表的なものとしてホームヘルパーが高齢者の自宅に訪問し、作成されたケアプランに沿ってサービスを提供するホームヘルプサービスなどもあります。施設の形態によって、担当する仕事や有する資格には違いがあるので、就職活動をする際にはどの職種で働きたいかを決めておくと良いでしょう。そうすると、将来高みを目指す時にスムーズにステップアップが図れるはずです。